「異世界恋愛を描きたくないですわああっ!」
中世ラブロマンスのような美少女は、思わず絶叫した。
それは同人漫画だったが、リアルの火種に……。
中世ラブロマンス描きたくない事件
上記を、Twitter(現、X)に掲載。
描いたのはプロで、異世界恋愛のコミカライズを受けていたから、大問題に!
仕事としての信頼関係を損なう
本人が言ったわけではなく、同人漫画のキャラの台詞。
そこは、忘れないように。
仕事として請け負ったジャンルを貶すのは、NG!
出版社やエージェントの顔を潰したうえ、関係者も敵に回す。
色々な解釈ができる描写なら、言い訳できたが……。
プロと素人の違いは、信頼関係!
安心して任せられるから、お金を払ってでもプロに頼み、様々なデータを渡す。
オリキャラに「描きたくない!」と絶叫させた先生は、厳しくなるでしょう。
けれど、気になったのは、そう言わしめた背景。
なろうの異世界恋愛が山となっていく
2016年、『小説家になろう』は、目立つランキングから「異世界転生・転移」を追放。
短編から異世界恋愛に染まり、長編までも。
2023年に慌てて戻したが、主な作家はシリーズと共に『カクヨム』へ移住した後。
商業は時間差で反映するため、異世界恋愛のラノベが増えていく。
ビジネスモデルは、以下の通り。
- 出版社がランキング上位を拾い、書籍化
- 並行して、コミカライズ
- 発行部数100万部でアニメ化
- グッズ、ゲーム化、コラボで、新規ファンの獲得
全てのジャンルに当てはまり、異世界恋愛は3番目まで。
コミカライズの正否が、そのまま反映される!
使い捨ての漫画家の悲哀
なろうの作品は、使い捨て!
『転生したらスライムだった件』『オーバーロード』のメガヒットは、過去。
テンプレによる即席で、素人も楽に書ける。
ラノベ作家、特になろう出身は、ただの趣味。
家事や仕事の合間にWEB連載をして、ランキング上位で夢の書籍化♪
1巻切りでも、ずっと自慢できる♪
対して漫画家は、かなり悲惨。
ビッグタイトルとは程遠い、使い捨ての作品に命を燃やす……。
むろん、金太郎飴だろうと仕事があるだけマシで、感謝するべき。
愚痴はあっても、それを世界中が見られる状態にしたら、ダメですね。
「推しの子」が炎上した事件との比較
刺激的なストーリーで大人気になった、『推しの子』。
こちらも、とある理由で炎上!?
問題発言は多いが最後のラインは遵守
『推しの子』は、アニメが大成功で、原作コミックも売れまくり!
原作者と漫画家のコンビにより、考えられた伏線や、美しい絵を楽しめる。
漫画家から原作者に転向した赤坂アカ先生は、SNSで問題発言が多く。
作画の横槍メンゴ先生が沈黙していることや衝撃的な最終話で、ファンが騒いだ。
ずっと応援してくれた読者を裏切るような丸投げは、物議をかもした。
「畳み方が早足だったな?」と思うが、オープニングで完敗する物語だから……。
赤坂アカ先生はオープンな方ですが、受けた作品のジャンルを貶していない。
かぐや様の大成功でお金に困らず?
日本のサブカルは、漫画文化。
ラノベは漫画のためにあり、『推しの子』のように原作者となるケースが多く見られる。
全盛期ですら、ラノベは1,000万部いくかどうかで、漫画のほうは億単位!
赤坂アカ先生は『かぐや様は告らせたい』で大ヒットして、お金に困らない立場。
出版社の担当編集も、強く言えないのでは?
実績とお金があり、業界的にも繋がりがあるでしょうし。
伏線を投げた感はあるものの、そのライブ感でヒット!
そもそも、クリエイターに品行方正を求めるのがおかしく、SNSを制限するのが一番。
だけど、学校の先生じゃあるまいし、編集は言えないですよね?
赤坂アカ先生には、出番があるでしょう。
2つもIPコンテンツがあって、まだ才能が尽きていなければ、当然。
実績さえあれば、いくらでもスポンサーや提携先を見つけられる。
管理するのは、マネージャーや編集の仕事。
成功した漫画家は億を稼げる
『薬屋のひとりごと』で分かるように、成功した漫画家は億を稼ぐ。
その夢があればこそ、無名から描き続ける。
商業デビューした漫画家は成り上がりたく、使い捨てに納得せず!
けれど、なろう小説は使い捨て。
ランキングで注目されている間に売り、似たようなテンプレを量産。
そのおかげで、コミックの仕事も増えましたが……。
コミカライズをしても、大成功はめったにない!
ただ請け負い、ツッコミを入れたくなる物語を描き、納期に間に合わせるだけ。
工場のライン作業と、同じ。
量産型なろう作家と漫画家の温度差
なろうのビジネスモデルは、漫画家に負担がかかっている。
中世ラブロマンス描きたくない事件も、その現れでは?
作家は兼業で一発当てたい
なろう作家は、アニメ化したプロですら、兼業!
『魔法科高校の劣等生』の規模で、漫画などの収入を含めれば、ようやく専業……。
テンプレを使おうが、無から有を生み出すのは大変。
それでも、コミカライズの漫画家より楽だと、言わざるを得ません。
なろう作家は、編集に任せて、ノータッチ。
人によって、顔合わせや、ネットで挨拶をするでしょうけど。
編集からの連絡で、漫画家が出したネーム(コマ割りやセリフ)の承認ぐらい。
初版の印税をもらい、電子版についても受け取り、最後にコミックの原作料。
コミカライズは、株の配当に近い。
こちらで売れれば、何もしないまま、先生と呼ばれる立場へ。
プロの漫画家は人生を賭けている
量産型なろう作家は、デビューすれば、お気楽。
最初から「これでメシを食う!」と考えないし、編集も「仕事を辞めないで」と忠告。
ランキング競争やリセマラはあるものの、書籍化までの試行錯誤。
何よりも1人でやれるから、スピードアップが容易。
対する漫画家は、「これでメシを食う!」と、決意。
今のコミカライズには商業誌で連載していた人も多く、彼らが納得するとは思えない。
口に出さなくてもね?
スナック代わりで消費され、誰も振り返らない。
『小説家になろう』のランキングは多様性を排し、2020年代は異世界恋愛ばかり!
同じ話をずっと描けば、さぞ苦痛でしょう。
「商業誌の経歴があるから、あなたは相場の10倍!」とは、ならず。
安くても請ける人はいくらでもいて、叩き売り。
なろう小説の整合性を丸投げされる?
漫画家も、生活費を稼ぐ。
しかし、なろうのコミカライズは、前工程で手抜きしたところが流れつく!?
- 服装を一から考える
- 原作者と編集が納得するキャラデザの考案
- 明らかな矛盾についても、フォロー
- オリジナリティはなく、言われた通りにリテイク
プロならば、使い回しができる素材、資料集があるはず。
しかし、ツッコミどころ満載のストーリーやキャラに、口出しを許されない。
提案には、神経を使う。
編集がいい加減で、原作者がキレた事件も。
『ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん』は、その代表例。
漫画家に短納期を押しつけ、大きな負担がかかっていた。
当たり外れが大きい時代では省力化
猫も杓子も、冒険を嫌う。
リスクを取るより、目の前にある小金を拾うだけ……。
異世界恋愛は基本的に売れない
なろうのランキングが時間差で反映され、異世界恋愛のブーム!
けれど、売れない。
そもそも、『アルファポリス』の専売特許で、作家とユーザーを育てて、刈り取る。
小さく売って、小さく儲けるだけ!
大きなビジネスに繋がらないジャンル。
女性が女性のために書くから、ものすごく主観的で、結論ありき。
同じ女ですら、「ないわー!」と、ツッコミを入れたくなる。
女主人公が認められ、登場したスパダリに溺愛で、どれもワンパターン。
男をバカにするから、男性に売れない。
女も他人の主観を嫌うため、一定の層へのアピール。
それも、投稿サイトのランキング上位という追い風がある、序盤だけの……。
漫画家はアシスタントを雇う
最大の問題は、漫画は1つの事業であること!
アシスタントを雇い、分業による制作。
当たり前だが、彼らへの給料は雇った漫画家の負担……。
社員10人より少ない零細企業と、同じ。
キャッシュフローが破綻すれば、倒産するのみ。
成功した先生でも、ベテランに抜けられたら、原稿を落とす。
締め切りに追われる週刊とは違い、月刊やWEBでは1人も。
アシ前提となれば、ラノベ作家のように「自分でやれば」といかず。
兼業のラノベ作家は筆を折れるが、漫画家は人生を賭けている。
日雇いで糊口をしのぐにせよ、会社勤めができない。
使い捨てにされれば、ストレスが溜まるどころじゃありません。
コミカライズは漫画家に大きな負担
異世界恋愛に限らず、なろうの焼畑農業では、一番後ろにいる漫画家へしわ寄せ!
文字なら「キンキンキン」で済むけど、コミックは描く必要がある。
なろうビジネスは、コミックの売上に依存。
破綻した世界観、キャラがブレているで、もう大変!
いちいちフォローすることも、仕事のうち。
一部では、「漫画家による介護」と言われている有様……。
テンプレが前提で、なろう小説は「何が起こっているのか?」を描写せず。
まともな小説は嫌われるため、ランキング対策ですが。
世間からズレすぎた作品を少しでも読みやすくする漫画家は、たまったものではない。
おそらく、編集は丸投げ。
ネームを見るぐらいはするでしょうが、整合性をとらない。
誰もかれもが、漫画家に甘えている。
売れて50万部、平均10~20万部で打ち切りとなれば、やる気が出るわけもなく。
イラストは買い叩かれやすい
元々、イラストは評価されない。
その苦労を知らず、「絵を描けるの? じゃ、店のPOPを作って!」の一言。
「薬屋のひとりごと」は特別
2020年のなろうで、大ヒットは生まれず。
『薬屋のひとりごと』は、異世界恋愛ではなく、文芸の推理!
2010年は、まだ埋もれている名作を掘り出せる。
だが、2つ目の『薬屋』はなく、読者が共感しにくい作品ばかり。
異世界恋愛は、女主人公とスパダリのどちらも美しくあることが大事。
ライバルも、それなりに描く。
衣装のデザインまで考えていたら、愚痴の1つも言いたくなる?
その点では、手抜きが許される異世界チートのほうが、よっぽど描きやすい。
ギャラとしても、変わらないでしょうし。
限界の「なろう」と面倒を見ない編集
2024年の『小説家になろう』は、異世界恋愛に染まった。
『カクヨム』へ逃げた「異世界転生・転移」を呼び戻しているが、焼け石に水。
そもそも、なろうは高尚ではなく、素人がテンプレで遊ぶところ。
商業誌のように編集がフィックスしない手抜きに、問題がある。
大手も悪かろう安かろうで、ランキング上位を売り逃げ。
ある編集長も嘆いていたが、こんなことを繰り返せば、信用をなくす!
ジャンクの使える部品を売っていては、編集も育たない。
今となっては、「なろう系」という蔑称。
なろうの知名度が上がり、同じテンプレということで、お金を出さず。
出しても、怖いもの見たさの1巻だけで、作品を愛しているわけではない。
まさに、地獄絵図!
転スラという理想的な関係
なろうの黎明期にあった、『転生したらスライムだった件』。
コミカライズで大成功した事例で、担当の漫画家は作品を愛しての立候補。
「仕事だから、文句を言うな!」
正論ですが、売れない量産品で自分も感動しない小説のコミカライズは、辛い。
漫画家を犠牲にしている以上、いずれ破綻する?
「あの先生が、なろう堕ち!?」という、ファンの嘆き。
商業誌で連載していた漫画家も、なろうコミカライズを請け負う。
しかし、その先に未来はない……。
とはいえ、お金が回っているだけ、マシでしょう。
異世界恋愛についても、なろうの一角として続くと思います。

