個人が自由に動画をアップして、生配信できる場。
2006年に始まったニコニコ動画は、ネットと携帯が普及していく社会で誕生!
ネット老人会になったサイトを振り返りましょう。
サイバー攻撃で社会的なニュースになった
2024年6月のサイバー攻撃によって、サーバーダウン。
全国ニュースとなった出来事で、ニコニコ動画は一度死にました。
もはや知らない人も多い動画サイト
ニコニコ動画は、『涼宮ハルヒの憂鬱』のアニメ放送によるスタートダッシュ!
「踊ってみた」動画が有名で、全国の中高生が真似しつつ、文化祭でも披露。
けれど、法整備がされて、だんだん落ち目に……。
最盛期には放送を延長するために500円をつぎ込み、次枠をとるための争い。
「えんちょつ!」というコメントが、挨拶代わりでした。
運営にもらえる無料予約チケットは、人気コミュの証。
そのゴールド、シルバーは、レアアイテムのごとし!?
大手コミュとなれば、「立ち見2」を超えるリスナーが視聴。
けれど、月額有料のチャンネルになれた人と、そうでない人で、雲行きが怪しくなりました。
コメントが流れるという斬新な発想で、一世を風靡したニコニコ動画。
しかし、世界的な資本であるYouTube、Twichが追い抜いて、公式放送はもちろん、人を集められる配信者もこぞって逃げました。
復活したが採算がとれるかは微妙
2024年10月に復旧したニコニコ動画は、厳しい状況です。
セキュリティリスクで、プレミアム会員はさらに減るでしょう。
応援したくても、「自分のクレカを登録できるか?」と言われれば、二の足を踏みます。
惰性で払っているプレミアム会員が、おそらく大半です。
リセットされたうえ、個人情報を抜かれた現状では、一般会員に戻るだけ。
口では、「復旧、おめでとう!」と言いますけど。
似たような動画サイトの『GYAO!』が撤退したことを考えれば、かなりキツイですね。
ネット黎明期には、「有料会員を囲いつつ、会員同士の交流を兼ねた集積知」が刺さりました。
けれど、YouTubeでプロによる惜しげもない情報開示が行われ、吹き飛ぶことに……。
料理レシピを見られる『クックパッド』も、ニコニコ動画とよく似たビジネスモデル。
素人の悪いところが目立ち、呆れた人がどんどん有料会員を抜けているようです。
オフのイベントばかりの印象
ニコニコ超会議は、悪い意味で目立っていました。
運営がゴムを配るなど、オフパコを助長する行動があり、まともな人間ほど近づかず。
プレミアム会員の月額料金と、延長料金などのサービス料で儲かっていました。
掲載している広告料も、今とは比べ物になりません。
ところが、Google Adsenseですら、勝手にページ遷移する広告が交じっている現状……。
昔を忘れられないニコニコ動画は、ずっと同じまま。
以前なら、陽キャのバカ騒ぎのような超会議も笑って見られましたが。
動画としてのクオリティが低くなり、個人情報が海外のハッカー集団に抜かれても、それを認めるわけにはいかない有様でやられたら、とある感情が湧いてきます。
2006年から、大きく変わりました。
ニコニコ一強ではなく、動画編集、トークができる人材も去っていき、初めから近寄らず。
あの日々は、戻ってきません。
ゆとり世代から下には縁がない
ビジネス的な問題としては、下の世代にまったく接点がないこと。
あっても、「月に1,000円ぐらい? 払うわけねーじゃん!」で終わり。
YouTubeで事足りる
広告を見るだけで無料となる、YouTube。
それだけで、事足ります。
ニコニコ動画は、まったく必要ではありません。
復旧を喜んだのは、初老となった氷河期世代とその前後だけ。
サブカルチャーの主体である学生、若者には関係なし!
2024年は、昔に楽しんでいた彼らがお金を払います。
失われることを惜しみ、声を上げてくれるのです。
若者はスマホでYouTubeを見て、プレミアム会員と同じ料金でアニメ専門チャンネルを見る。
せいぜい、そのぐらい。
ガチでネット老人会でしかない
ニコニコ動画をけん引して、多くのリスナーを引きつけていた配信は?
持病と家族の訃報、仕事の愚痴を言うだけの、ガチのネット老人会です。
病院の待合室そのもの!
いつもの配信者がダラダラと放送して、常連のリスナーが老人らしい話題で盛り上がる。
平均年齢は、おそらく40歳です。
『涼宮ハルヒの憂鬱』のリアタイで学生だった世代が、ちょうどそれぐらい。
若者がいなくなったニコ生に、未来はありません。
ニコニコ動画に良質なコンテンツを提供するプロもおらず、連日の閉店セール。
利用者がお金を払うことの偉大さ
嫌儲。
ニコニコ動画で有名になったキーワードで、お金をもらいたがる提供者を侮蔑したもの。
しかし、サーバーや回線の維持には、多額の固定費がかかります。
ニコニコ動画に個人の有料チャンネルができた時には、反対意見が多かった。
「私はもらえなかった」という、妬み嫉みも。
動画についても、YouTubeの台頭により、次々に離れていきました。
「ニコニコ動画で儲けるな!」と声高に言っていた彼ら。
その結末が、これです。
時代の流れによる、一時的な楽園だったと言えなくもないですが……。
まともなサービスを受けたいのなら、お金を払ってください。
その時にはニコニコ動画だけで、正当な報酬をくれる場があれば、そちらへ行きます。
ユーチューバーかVTuberになった配信者
ニコニコ動画の資産だった、人気配信者。
その一部は、ユーチューバー、VTuberとなって活躍中です。
人気配信者が抜けた影響は大きい
全盛期のニコ生は、大手コミュに多くの人が集まりました。
女性配信者となれば、金属に移りこんだ映像を分析するなど、特定する動きまで!?
ニコ生の人気配信者だったと思われる、さくらみこ、兎田ぺこら(敬称略)。
前世の名前はあえて伏せますが、2024年にはホロライブの看板です。
最盛期のニコ生で潰されず、大手だった経験値は伊達ではなく。
上場したホロライブで、他のホロメンと比べても見劣りしません。
話題が途切れず、コメントへの対応力も半端ない!
人気配信者は、アンチや妬んだ配信者に潰されるケースが珍しくなく。
それを潜り抜けた2人は、今や芸能界で戦っています。
まさに、感無量。
場を提供するだけのニコニコ動画は、マネジメントが欠けていました。
彼女たちを繋ぎ留められれば、まだ10年やれたかもしれない。
引き抜きとYouTubeによる崩壊
個人への有料チャンネルの振り分けで、嫌儲たちは騒ぎ、外れた人気配信者はトーンダウン。
後発が引き抜きを始め、「ニコ生はスタートアップ」という踏み台へ。
「全力を尽くす!」という姿勢から、「ニコ生で常連を増やし、YouTubeで収益化」に変化!
何も変わらない、ニコニコ動画。
大資本のYouTubeは、どんどんサービスを洗練していきます。
日本のベンチャー企業に、「世界の大企業と殴り合え!」と言うのは、酷な話ですが。
人気配信者を育てながらも、その扱いを間違えたツケは、あまりに大きい……。
2024年に改めて、過去の配信者を調べたら、「子供がいる」「VTuberとして活動中」でした。
もっとも、Twitter(現在はX)の最終更新は、多くが数年前。
結婚すれば、毎月のパート代を稼ぐ女性だから、でしょうけど。
慣れ合う配信者とリスナーはハルヒ世代だけ
前述したように、2020年の配信者とリスナーは、もう老人だけ。
いわゆる、ハルヒ世代!
夏休み、冬休みに荒らされていたコメント欄も、今では平和。
キッズと呼ばれる学生は、とっくにいませんから……。
匿名のプロによる力作に依存していた、ニコニコ動画。
まだ法整備がされていないことでの、アングラ的なお祭り騒ぎ。
YouTubeと同じ基準にしても、利用者は帰ってきません。
「ここでしか見られない! 楽しめない!」という特別感が、なくなりましたので。
氷河期世代が消えれば、完全にお蔵入りです。
元々、際どい内輪ネタで盛り上がっていましたし。
動画もYouTubeの一強だけに!?
アニメは有料のサブスク、無料動画はYouTube、ゲームはソシャゲ。
特化したサービスが登場したことで、ニコニコ動画はどれも劣りました。
クリエイターへの還元が不透明
ニコニコ動画のクリエイター還元は、非常に不透明です。
YouTubeと比べれば、利用しづらい。
2024年のサーバーダウンと併せて、見切りをつけたクリエイターが増えるでしょう。
動画1本を作るには、高い機材と労力、何よりも時間が必要。
お金を出さないユーザーにこき下ろされたら、やっていられません。
ブランド化としても、YouTubeで継続したアップ!
他に影響力がないネット老人会を相手にする暇はなく、その意味もない。
YouTubeも、収益化のガイドラインを改定しつつ、還元を減らしました。
まして、小規模のニコニコ動画は……。
海外ユーザーを見込めない
最大の弱点は、これ!
ニコニコ動画は閉じたコンテンツで、海外ユーザーを取り込めません。
対して、VTuberは外国人も雇い、外国語による配信も。
AAAタイトルのゲームも、開発費が大きすぎて、世界で売れることが大前提。
なろうアニメも、海外へ配信権を売ることで制作費をペイ。
国内だけではマーケットが小さく、これをクリアできるかどうか? が課題です。
ニコニコ動画には、今までの時間と予算があったはず。
「儲かっているから」と安堵して、超会議のようなイベントをしていただけ?
素人にユーザーとクリエイターを兼ねさせる手法は、深く考えるだけの功罪……。
配信との相乗効果がなくなった
ニコ生が枯れれば、並んでいる動画もしおれます。
水のない花と一緒!
「人気配信者のトークを楽しみ、ついでに動画も見ていく」
すべてが噛み合い、大きな利益が出ていたのでしょう。
だが、ユーザーを呼び込み、定着させる動機が失われたと……。
すでに広告塔はなく、待つのはネット老人会だけ!
若者が知らないし、来ないことで、次の世代からは閑古鳥が鳴く。
それでも、KADOKAWAの資本に入っており、意味なく潰れることは考えにくい。
外資による切り捨てで復権なるか?
ニコニコ動画が返り咲くには、YouTubeから人を呼び戻さないと!
その可能性は、けっこうある!?
データベースと日本独自のプラットホーム
日本のネット文化としての、サブカルチャー。
そのデータベースであるニコニコ動画には、資料的な価値があります。
また、日本独自のプラットホームで、個人が配信するための場。
たとえば、「アニメは性的な搾取だ!」などの主張で、魔女狩りをされたら……。
YouTubeから一斉に避難してきて、再び栄えることは、大いにあり得ます。
ポリコレを見て分かるように、外資はズバッと切り捨てるため、明日にも起こり得る。
KADOKAWAが抱えているのは、そういった事態も見越して?
自前でやれば、嫌がらせを防げます。
知名度は高いため、一から築き上げるより効率的です。
面白い人が集まって最後にすたれた典型
最初に面白い人たちが集まって騒ぎ、面白くない人も頑張り。
足を引っ張る人々だけが残ってしまう、駄サイクル。
ニコニコ動画の歴史は、まさにそれ!
盛り上げた人々は、日常に戻ったか、他で頑張っています。
当時の人気配信者も、YouTube、Twichへ行きました。
TikTokのような後発は、若者にアピールするために有効……。
けれど、第一人者として億を稼いだユーチューバー、VTuberも、明日は分からない。
2016年のキズナアイを始めとする、VTuberの始祖ですら、もはや見当たらず。
ソシャゲにも言えますが、あまりに変化が早すぎます。
5年前に大成功した手法が、もう通用しないほど。
その意味では、ニコニコ動画を続けていくことが大事なのかもしれません。
VTuberも上場で同じ道をたどる?
2024年に億を稼いでいるVTuberも、数年後に引退している!?
Kちゃんも雑談中に、「10年後? この業界がなくなってそう」と、ぼやくほど。
たとえば、AIがシンギュラリティを突破して、中の人になる可能性も……。
ニコ生の全盛期にVTuberがこれほど大きくなるとは、夢にも思わず。
顔を売ったユーチューバーも、億を稼いで、自分の法人を持っていますからね。
企業所属のVTuberにも、「自分がやりたい企画をやれない」といった悩みが多く。
手厚いサポートがあっても、属人的に稼ぐことの弊害が見えます。
ホロライブのような大手は、仮にVTuberが衰退しても、ニコニコ動画のように続くと思いますが……。
誰もやっていないことに、いち早く乗り出す。
先行者利益を狙わなければ、成功に程遠い。
今の企業の寿命は、30年どころか、たったの10年!